ちぐ、はぐ

果てしない戯言

「KAT-TUN 10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR "10Ks"」感想

きっかけは幼馴染からの連絡だった。友達がKAT-TUNのチケットが余っていて行かないか、という主旨のLINEだった。KAT-TUNはわたしが最初に好きになったジャニーズで、初めてコンサートに行ったのもKAT-TUNだった。離れてから久しいものの、派手なパフォーマンスの高評価は耳にしており、いつかは行きたいと予てから思っていた。わたしがもたもたしている間にあれよあれよと人数は減少し、ついに3人、その上暫く活動は充電期間に入ると言われたら、行く選択しかない。すぐに行きたいと返信し、恒例となってきたおひとりさまスタイルで参戦することに決めた。返信してから気づいたことなのだが、ナゴヤドームはツアーの初日で、3人の体制でファンの前に現れるのが初めてのステージだった。こんな場所に居合わせていいのかという不安を抱きながらも、杞憂に終わることになった。

前提として、わたしがKAT-TUNを追いかけていたのは6人時代の2010年前半までで、ごく出の赤西担、そう、一生の新規です!今回ベストアルバムを購入して最近の曲を予習した程度なので、今も尚応援している方からすれば部外者も同然で、毎度のことながら独断と偏見でお送りします。

 

以下曲名など、詳しい内容に触れながら感想をなかなか乱暴に語ります。

 

 

OPで昔の映像が流れた時点で泣いてたのに、物凄く聞き覚えのあるイントロが流れてまさかと思ったら「GOLD」だし、正面の幕が下りたとおもったら船あるし、最高かよ!海賊やらせたらKAT-TUNの右に出るグループはいない確信がある。「お前らKAT-TUNの船乗る準備できてんのかよ!」って設定押し付けながら煽ってくる上田さんに好きしかない。普段は「子猫ちゃん♡一緒にラブラブしようぜ♡」か「バカになろうぜーーーーーー!」と煽られる身分だったから、ガンガン上からくるスタイルが新鮮だった。KAT-TUNの楽曲はいちいち仰々しい(褒めてる)けど歌詞はどこか本人たちとリンクするところがある。すぐ重低音効かせて、すぐ音声機械変換するのも大好き。「THE D-MOTION」なんて一気にナゴヤドームがクラブハウスに変えるカラフルな照明をチカチカさせてくる。春夏秋冬も懐かしさ満載だったけれど、曲の最後にファンに銃口向けてくるのが強い。ちょうどグッズのペンライトがピストル型で、互いに銃口を向ける構図になったのも流石すぎる。「MOON」でマイクスタンドに和服が掛けてあって、女を抱くように絡むのかと思いきや担ぐのが上田さん流。いや、マイクスタンド担ぐひとってそうそういないよ。それからわたしが大大大好きな「NEVER AGAIN」センステで回転しながらっていう振り付けが好きなのだけれど、デビューアルバム当時20歳そこそこの男の子たちに「優しさだけじゃ愛せないから」って歌わせるプロデューサーよ。憎い。「Will Be All Right」は涙腺を崩壊させる一曲なのにフロートで明るく歌ってる場合じゃないから!

あっという間にMCに突入。「人数減ったとか言わないでねーー」「全部田口のせいだ!」という自虐的且つ愚痴モードから入るから、おいおいってなったよね。色々割愛するけど、グッズのペンライトの色が赤なのに対して「血染め」っていう中丸さんの世界観どうなってるのよ。すんごい昔の色が変わるペンライトで来てごめんなさい、給料日前だったんです、隣の人はそのピストルで撃たないで…。若干短いMCの後はカトゥネット高丸というパロ映像。どーーんとスクリーンに映し出される「人も携帯電話も時には充電が必要」は例の充電器の宣伝。

後半部分も懐かしい曲が続く中で、ボイスパーカッションコーナーが物凄くシュールだった。ボイパを全て平仮名で文字起ししてスクリーンで映すし、「仏(ブツ)」「蚊(カッ)」「加湿器(カシッキ)」が面白すぎて今後ボイパの脳内変換そうなってくるから苦しい。こんな面白いグループだったっけか。過去シングルをそれぞれソロで歌うコーナーでは各々アイテムとかを取り入れてたけれど、上田さんが大型の三輪に乗って颯爽と外周まわってくれるから、いつか大倉くんにも二輪に乗って外周まわってほしくなった。だけどそんなシチュエーションが似合う曲を関ジャニ∞は片手で数えられるくらいしか持ち合わせていなかった。

今回一番予想外だったのは天狗だった。まさにびっくりぽん。もう絶滅したのかと思ってた。「TEN-G」の曲を聴くなんて夢にも思わなかった。短いMCの正体はこれだった。非売品のポスター抽選でぐだぐだしてたけど、亀梨さんってこんなに強烈な末っ子だっけか。最年長中丸さんに「もーー亀梨くんにこういうの持たせちゃ駄目だってーー」って言われててほほえましさしかない。ソロコーナー以降はここ数年のシングルが続き、最新曲「UNLOCK」で度肝を抜かされた。レーザービームレーザービーム炎爆発炎爆発レーザービーム重低音降る火の粉降る火の粉の特効パラダイス!!!!楽しい!!!!こんなもの見せられたら他のグループで特効満足できない身体になっちゃうから。そうかと思いきや本編ラストは「PRECIOUS ONE」を上田さんのピアノ伴奏で歌ってくるから泣かない訳がない。10周年のラストにおいても1stアルバムの曲を大切にしてくれているのね。比較的あっさりとアンコールになり、フロートで「喜びの歌」や「Peaceful days」などをもってきて最後に「君のユメぼくのユメ」最初はセンステにある3つの小さなアップ式ムビステでそれぞれ小島の方に移動してるんだけど、途中から真ん中に集まって一緒になるのがもうメタファーとして受け取らざるを得ない。挨拶の後エンドロールが「君のユメぼくのユメ」のインストver.にのせてメイキング写真が流れるのずるい。そして関ジャニ∞慣れしてるとここ近年Wアンコールがないから帰りの電車の兼ね合いで帰ってたらWアンコールがあった。銀テープぶっ放すの見たかった。天井席だったから取れないのは百も承知だったけれど。

 

総括として、単純に懐かしくて楽しかった!ドームの使い方が上手い。今回バックのJr.をつけずに3人のみでのパフォーマンスだったけれど、まめにトロッコやフロート・クレーンを使って移動しててよかった。KAT-TUNの楽曲はその性質上、派手な演出と相性がいいこともあるが、圧倒的演出。オープニングから世界観固めてくるのも最高だし、派手に爆発させるのも最高だけど、今回凄いと思ったのはレーザービームの使い方だった。一般的には水平方向に用いるものだとおもってたけれど、彼らは非凡だったので垂直方向に使っていた。めちゃくちゃかっこいい。広いドームという空間で一筋の光を受ける中丸さんは、降臨なのか召喚なのか。はたまた己から放つあの閃光は我々愚民の乏しい語彙では表現に値しない尊きものなのか。あっさりと私史上最強とされている降臨の代名詞増田さんを凌駕した。

KAT-TUNは体制の変化をナラティブに組み込んでこないグループだった。比較して優劣をつけるつもりもないが、NEWSは体制の変化をドラマティックな演出として盛り込みそれをエネルギーに変えた感情的なスタイルだったとすると、KAT-TUNのエネルギーは間違いなく爆発などの特効であり物理的である。どちらのグループにも貫きたい見せ方があるのだろう。今では知ってることよりも、知らないことの方が多いし、赤西さんのいたKAT-TUNが好きだとずっと思っていたけれど、3人でも何人でもKAT-TUNはわたしの原点で中学生時代であってほしいから、またグループで活動できるようになることを願っている。今回のMVPは、天狗の被り物で前髪が崩れていないか素で亀梨さんに確認して「かわいいな」って言われる上田さんと、その間にヘアメさんに直してもらっている中丸さんのこのセットだった。