ちぐ、はぐ

果てしない戯言

ドラマ「傘をもたない蟻たちは」感想

1月9日にわたしは死ぬと思っていた。自担の原作小説が二作品も映像化し、そのうち一作には出演(片やカメオ出演)以上にドラマティックな日なんてもう二度と訪れない。こうして何とか辛うじて生きているので記録をばとパソコンに向かっている。

 

予想された最大級の死因は主題歌「ヒカリノシズク」だった。2015年末のFNS歌謡祭で初披露された時は硬直した。何度もくどい様だけども言う。シゲアキさんの書いた小説がドラマ化して、それにシゲアキさんが出演していて、尚且つ主題歌がNEWSの時点で察せられることだけれど、歌いだしのカットから歌い終わりのカット、大サビがシゲアキさん!こんなこと、5年前には想像できました!?できませんよね!?1年前だって想像し得なかった訳ですよ。自分が小説を書くことで“いつか”グループに還元できればいいの“いつか”が“今”なんですよ!めちゃくちゃカタルシス。何と言っても個人的には大サビのソロパートが感無量。NEWSには珍しいしっとり系のシングルで、音が少なくなる大サビでソロパートなんて心配と言うよりも過去の色々な記憶が走馬灯のように流れて気づいたら泣いてるみたいな不思議な感覚に陥る。わたしが言うのもあれだけれど、シゲアキさんは歌が上手いとは言い切れない。それは同じグループ内にテゴマスというジャニーズでも指折りの歌ウマジャニーズがいるから余計にそう見えてしまう節もあって何とも言えない所ではあるのだが。ちょっと前は盛んに「しゃがれ声」といじられていた時期もあり、その度に心の中で「でもわたしは好きだからね!!!!」と複雑な気持ちになることもしばしばあった。実際歌番組で自担だけ音源は日常的だっただけに、今回の生歌は家に家族が不在だったら一晩中梅酒のソーダ割りでも飲みながらいろんな感情に浸っていたい位だった。

そして本編の話。放送前から、「原作小説を因数分解して再構築した」と称していたことから期待値は高かった。そもそも複数の短編小説を単純にオムニバス形式にするのではなく、ひとつの物語として映像化する時点で面白いなとは思っていた。共演する桐山蓮さんとシゲアキさんの趣味が合うのではないかという点もさることながら、ツイッターのTLでちらほら見かけたのが「桐山蓮さん大倉くんに似てる説」だった。いやいやそんな馬鹿な~~そうだったら間接的にうちの自担同士が共演したみたいなことになるんじゃないっすか~~!と思いながら画像検索をかけると7.8枚に1枚くらいは23とか24歳くらいの大倉くん…!半分くらいは髪型だとは思うがまあ似てる。しかし実際ドラマを見ているとどうも大倉くんには見えない。なぜならばわたしはシゲアキさんしか見ていないから。いや、桐山さんも見ているけども、とりあえずそれどころじゃない。今回シゲアキさんの演じるケイスケは、桐山さん演じる小説家である主人公ジュンの幼馴染。編集者の意向に合うような小説が書けなくて自暴自棄になりかけるジュンを何度も励ます立場である。本来ならば小説家なのは紛れもなくケイスケの中の人のシゲアキさんの方なのだけれど、視聴者の8割9割は恐らくシゲアキさんが原作者だと知っていてその上で「また書けるよ」「諦めんなよ」と言わせるプロデューサー!!「ピンクとグレー」は原作者がカメオ出演しているのがメタ的であるのに対して、「傘蟻」は原作者がメインに次ぐくらいのポジション(メインでないこともミソだろう)で出演しているのがメタメタ(メタの二乗)。この件に関して言及しようと思うと語彙力の乏しさが露呈されるのが悔しいけれど、そのくらい自分の知っている言葉で表し尽くせない事柄なんだと思い知る。ケイスケの正体については2話が終わった辺りで何となく勘付いてはいたがやっぱりなぁという感じだった。時間帯がドラマにしては遅い枠で、微妙な時間から始まるため視聴者もさほど多くなく、予算なども限られている中で終わりよければ全てよし、と言いたい。CMも含めて1回の放送時間は25分程度。そのうち1割はCMに当てられるので実質は20分弱×4回のおよそ80分。通常のドラマは概ね1時間(実質45分)で、放送30分後の所でその回の山場が来るようになっているのに対して、傘蟻は25分程度の中にそれを作るとなると少し難しい。結果的には物語が盛り上がりかけたような所でその回が終わってしまう雰囲気がわたしの中ではあったのだが、「若者の苦しみ」(こんな単純化したらシゲアキ先生に怒られる)を題材にした湿度が高めのドラマということを考えるとこれはこれで…と思える部分もある。ともあれ、毎回「ヒカリノシズク」とWサイドシングルであり且つCMタイアップになっているnissenのCMが流れる辺りで、シゲアキさんの多才さを目の当たりにするしかない。JEのCMも流してくれるし、この枠は半ばジャニーズ枠なのではないかとさえ思った。

個人的に傘蟻の物凄く好きだったところが、タイトルの出し方だった。必ず番組冒頭に画面の中央に出るよくある手法じゃなくて、ぼーっとしてたら見逃してしまうくらいさりげなく画面の下の方にそっと浮き出てくるのがめちゃくちゃおしゃれだと思った。その静かさがドラマの雰囲気ととてもマッチしていて、最終回なんて一番最後にやや主張気味に出てきて圧巻だった。

 

これに付随してシングルPVの感想も綴ろうかと思ったけれど、それ以上に書かなければならないと思しき事柄があるのでPVの件はまた別の機会にでも。